ほめたいときに、ほめる
子育てや社員教育の場で、人のいいところを見つけて「ほめる」ことをしましょうーという話や記事を見かけます。 また、大人になると「ほめられる」ことも「ほめる」ことも少なくなってくるのでほめることを意識しましょう、という事を耳にすることがあります。多くの人は、ほめられることは、心地の良いもので、嬉しいと感じるはずです。私もその一人です。しかし、私は、時に、ほめられていやな気持になることがあります。
ほめられても嬉しくないときがある
出来ていないのにほめられることが嫌です。たとえば、趣味の習い事で、上手くできていないにもかかわらず、「すごいわねー。上手ね」と過剰に言われるといやな気持になります。ほめている人は、コミュニケーションの一環と思っているのかも知れませんが、私は、その人の「すごいわね」という大げさな言葉の裏にある何かを感じてしまい、ほめられているはずなのに素直に受け取れないときがあります。
また「この部分はいいけど、ここはダメ」と言われることがあります。この時の私は、最初に褒められたことが、あとの「ダメ」という言葉で打ち消され、ほめられた時の心地の良い感覚を味わうことなく、「ダメ」という言葉だけが私の心の中に残ってしまいます。しかし、出来ていないことを「できていない」と言われることは、嫌ではなく嬉しいと感じます。なぜなら、私のことを見てくれていて、出来ていないところと出来ているところを、分析して教えてくれているからで、そこには言葉の裏がなく、できていないという事実をおしえてくれていることが伝わるからです。そして、私の可能性を、信じてくれているからこそのアドバイスもしてくれます。だから嬉しい気もちになります。
子どもへのほめ方
私たち大人だけでなく、子どもにとってもほめられることは大事なことだと感じています。子どもの成長期に良い影響をあたえることには間違いありません。子どもをほめるときには、具体的にほめることが大切ではないかと考えます。たとえば、明日の学校の支度を一人でしたときに「すごいね」だけではなく、「学校の準備一人でできたね、」というような具体的な言葉を付け加えてあげることも大事です。また、目標が達成できなかったとしても、「頑張ってたこと知ってるよ」というような努力の段階に目を向けてあげることも必要です。頑張っていることをわかってもらえることは子どもにとってとてもうれしいものです。
しかし、子どもによっては、ほめられたことで人にほめられるために、行動をするようになることもあります。小さな子どもが母親にほめられてうれしくなり、同じ行動をすることは成長段階ではあります。しかし、大人になったときにでも、人が喜ぶということを基準にして行動するようになると、本人は、気付かないうちにストレスをかんじるようになりかねないので、すこし注意が必要ではないかと考えます。子どもをほめるときに、「すごい」というような言葉を使いがちですが、事実をつたえるだけでも、こどもはほめられたときと同じような感覚になると聞きます。たとえば、「絵を描いていたんだね」と言われたとき、絵が上手にかけているということよりも、絵をかいているという行動を、認めてもらっているような感覚になるのではないでしょうか。
無理にほめなくてもいい
ほめ方もいろいろあります。反対に受け取り方も人それぞれです。ほめられることに慣れていない人もいます。私は、人を無理にほめようとは思いません。私は、ほめたいと思った時には、ほめます。心からほめたいと思わない限り、あまりほめることをしません。
子どもにも無理にほめる必要はありません。無理にほめても子どもに伝わることは少なく、心からほめたいと思ったときに、ほめたほうが子どもにも大人にもは伝わるはずです。本心からほめられれば、相手は人を喜ばせるための行動をしなくなると考えます。私自身の体験からもそのように感じます。「ほめる」ということは、相手を認める一つの手段です。この手段は子どもや私たち大人ににとっても大切なものです。だから、私はほめたいときにほめ、褒められたら素直に受け取ろうと考えています。
投稿者プロフィール
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人間関係の悩みから開放するサポートをするカウンセラー。名古屋で個人カウンセリングを中心に活動。
OL時代、人間関係で悩み、過呼吸になり自分が苦しくなったことで、心理の勉強をし始めたことがカウンセラーの道へ進むきっかけとなったが、カウンセリングを実際に受けることで自分が変わり楽になったことから、同様に苦しんでいる人のサポートをするカウンセラーになる。
カウンセリングが、特別なものではなく、もっと日常生活に密着し、一人一人が自分に素直に生きていくことができるようにサポートをする活動にを展開中。
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