自分の中の宝物はかわる

 「宝物」と聞くと、浦島太郎の話を思い出します。
亀を助けたお礼に、竜宮城で夢のようなおもてなしを受け、お土産に箱をもらい、箱を開けないように言われていたが、つい開けてしまい老人になってしまったという話です。


 子どものころ最初に、この話をきいたとき、おみやげにもらった箱は、とてつもなく大きくて、キラキラ光る宝石がたくさんつまっていると想像をして、ワクワクしました。当時の私は、キラキラしたものや可愛いものが好きでした。大人になっても嫌いではなく、どちらかというと好きです。しかし、それだけでは物足りなくなってきています。


 今の私が、お土産の箱の中身を想像すると、キラキラしたものは三分の一ぐらいに減っています。残りの三分の二には、目に見えないものが入っています。たとえば、ペットをなくしたときに、寄り添ってくれたペット仲間や、家族のさりげない気配り、不安に思っていたときに、安心感を与えてくれた人の温かさといったものです。親友と、気を遣うことなく話をした楽しい時間もあります。そして、ありのままの私を、受け入れてくれている家族との年月が、ゆるやかに詰まっています。

子どものころ大事だったものは、大人になっていく過程で変わっていきます。たまには、箱の中からいらなくなった物を整理して新しいものがはいる場所をあけておくことをしてみるのはいかがでしょうか。

 


 これからも宝物が入っている私の箱の中身はきっと変わっていきます。私が、この世を去るときに、その箱をあけるつもりでいます。浦島太郎は老人になりましたが、私は、心の扉を開け、箱の中の宝物を天国に大事に持っていきます。

投稿者プロフィール

cocoro
cocoro心理カウンセラー/ワンワンコミュニケーションカウンセラー
人間関係の悩みから開放するサポートをするカウンセラー。名古屋で個人カウンセリングを中心に活動。
OL時代、人間関係で悩み、過呼吸になり自分が苦しくなったことで、心理の勉強をし始めたことがカウンセラーの道へ進むきっかけとなったが、カウンセリングを実際に受けることで自分が変わり楽になったことから、同様に苦しんでいる人のサポートをするカウンセラーになる。
カウンセリングが、特別なものではなく、もっと日常生活に密着し、一人一人が自分に素直に生きていくことができるようにサポートをする活動にを展開中。